白沢ってご存じですか?

もしかしたら、現代の白沢は、トイレットペーパーなのかもしれません。

えっ……???

内藤記念くすり博物館の白沢像
私をご存じな方は、白沢さま、ブログにて何度目かの登場になるかと思いますが(汗)

6本の角と9つの眼を持つ神獣で、病魔を防ぐ力があると昔からずっと信じられてきた神さま?です。

私の好きな小説、畠中恵さんの『しゃばけ』シリーズの中で、切れ長の男前、主人公一太郎の兄や薬種問屋手代の仁吉としても登場しています。小説の中でも、大活躍です。


この堂々たる姿、病を阻止してくれそうな気がしてきますね。

病気の原因になるウイルスや細菌が分からない時代には、その目に見えない正体は悪魔だと考えられていました。

何かわからないけれど、人々が同じような症状の病に倒れ、あちらこちらに蔓延していく、怖い、恐ろしい。病魔を防がねば。

少しでも安心できるように、不安を物に託し、旅に出るときには白沢の絵を身につけたり、絵馬や郷土玩具などを飾り、不安を解消してきました。

枕屏風 白沢と雷獣?
現代の私たちは、たくさんの病の原因を見つけることができました。原因がわかったことで、対策もできるようになりました。

インフルエンザかも?と思ったら、病院に行って検査をします。

「A型ですね。はい、ではこのお薬をどうぞ。」

病欠する場合、学校や会社に診断結果を求められるので、病院に行かねばなりません。
休めない、とにかく早く薬で熱を下げたい。
「病には休息」ではない国になってしまいました。

タイにいる息子は、インフルエンザに罹った時、病院に行かされて1週間は休まなきゃいけなかったらしいです。またタイの地方では、いまだ祈りと治療が結びついていたりします。そのお話は別の機会に。

すぐに結果を出すことに慣らされてしまったので、今回の新型ウイルスではすこしパニックになりました。

今まで知っているコロナウイルスとはどうやら違う。
世界中に大流行し、その姿も対応する薬もまだはっきりしません。
検査も簡単に受けられない状態だったので、混乱を招きました。

最初に、トイレットぺーバーが白沢だと言いましたが、もちろんトイレットぺーバーが病気を防ぐ神さまというわけじゃありません。

みんながトイレットぺーバーを買おうとしたことは、何かを手に入れること、目に見えるものを手に入れることで、安心を手に入れようとしたのではないかと考えたのです。

護符やお守りを求めるように、近場で手に入れられるものに安心を求めたのではないでしょうか?
あっ、転売屋さんは論外ですよ。

良寛さんが、災害にあった友だちに贈った言葉があります。

災難に逢う時節には災難に逢うがよく候 死ぬる時節には死ぬがよく候
              是はこれ災難をのがるゝ妙法にて候 かしこ


不安な気持ちを解消するために誰かを批判して人間関係を悪化させてしまったり、不安な気持ちに付け込まれて怪しげな情報に踊らされてしまったり、不安を煽って商売するやからからも身を守りたいですよね。

不安からくる恐怖や怒りを祈りに変えよう。
祈ってあとは神に任せよう。
それが災難から身を守ることになる。

たとえば……。

学校の休校で余ってしまった給食の牛乳から「蘇」を作ろう

みんなで大仏を建立ボタン
絵師さんたちがアマビエを描いて祈願

ネットサーフィンでこんなことをしている人たちを見つけました。

うーん、楽しそうですね。('ω')

こんな楽しいことをしていたら、病が避けて通ってくれそうです。

私も今、新型コロナウイルスの情報から、少し距離を置いています。

どうか、1日でも早く終息しますように!
それでは、またね。
チョークディナカー!


【追伸】

前回の記事で、

残念なことに、タイでは、日本もとうとう検疫検査強化国になってしまいました。現在は、日本からタイに入国した場合は、14日間自宅待機すること、公共交通機関に乗らないようになどの指示も出ています。

と書いたのですが、どうやら指示ということでもなさそうです。
在タイ大使館からの発表がありました。



必要な情報は自分で取りに行くくらいの情報量がちょうどいいみたい。